Microsoft本社へ初出張

このブログはテクテク(テクノロジー&一歩ずつ)という意味で命名したものですが、今回は初めてテクノロジーとは関係ないことについて書きます。2022年3月にMicrosoftに入社し、Power BI CAT(Customer Advisory Team)*1として日本及びアジア地域を担当することになったのですが、6月20日から1週間、急遽米国出張が決まったことを受け、今回はそれについて軽く触れたいと思います。

Microsoftへの入社

私はMicrosoftに入社するまで、データアナリストを10年以上やってきました。Power BIがセルフサービスBI*2からスタートしたことを考えると、自分のロールがまさにパーフェクトマッチしていました。元々Excelのヘビーユーザーでしたが、大量のExcel/テキストファイルを処理することが増えるにつれ、段々とExcelだけで分析を行う限界を感じるようになり、Power Query / Power Pivot / Power BIという流れでBIの世界に入門していきました。

そんな中、前職での最後の3年間は主に外部のお客さん向けにセルフサービスBIの導入を支援する仕事をしてきましたが、2021年末には下記の記事を執筆してQiitaに投稿したところ、Power BI界隈や入社前のMicrosoft社内においてもプチ評判になっていたようです。

Microsoftへの入社はPower Apps CATの吉田さんから声を掛けてもらったことがきっかけでしたが、Power Appsと言えばこの人!というくらい業界では有名な方です。

Power BIはセルフサービスBIツールとして誕生していますが、Microsoftに入社してから見えてきた世界はエンタープライズBI*3によりフォーカスしたものとなっており、

自分のやりたいことから、自分がやらねばならないこと

へ業務内容はシフトしていきました。

羽田空港(国際線)

入社して3ヵ月が経過した頃、急遽上司から米国出張の話が出ているため、準備して欲しいと告げられました。寝耳に水でしたが、パンデミック以来、初の海外出張となりますので、さすがにワクワクしました。しかし、大きな問題が1つ残っていました。それは、

コロナのワクチン接種をしていなかった

のです😢

米国への入国条件が最低2回、ワクチン接種が必要であることでしたが、まだ私は一回も受けていませんでした。

みんな接種してくれたら自分はセーフ!という冗談をそれまで言い続けてきましたが、さすがに”冗談じゃない”状況になってきたので、急いでワクチン接種の予約をして、何とか出発前日までに全ての条件をクリアすることができました。

そんな中、出発当日の羽田空港に到着したものの、チェックインカウンターは非常に閑散としていました。

と思いきや、チェックインが早かっただけということだったみたいで、東京→シアトルは実はかなり人気路線だったようで、搭乗待ちの人が沢山いました。

一方で、空港内のショップは13時にも関わらず、殆どが閉まっていました。

ちなみに、デルタ航空のラウンジを利用したのですが、カップ麺が置いてあるのにびっくり。

そしていよいよ2年ぶりの国際線ですが、9.5時間のフライトで米国シアトルに到着しました。

シアトルキャンパス

日本時間の日曜夕方に飛んだ場合、時差の関係上、米国には同じく日曜日の午前9時半に到着します。もう一回日曜日を過ごせるところはかなりラッキーですが、夜寝るまでに時差ボケとの戦いが始まりますので、人によってはかなり厄介と言えます。とはいえ、無事米国に到着して、宿泊先のArcher Hotelにチェックインしました。

エントランスから左側はデザイン性の高いぶっとい柱が構えてあり、非常に壮観でございました。

また、おしゃれなカウンターバーがあり、別の日にPower BI CATの他のメンバーと少し飲んでいました。

さて、いよいよ翌月曜日に米国オフィスに出社しましたが、なかなか素敵な建物です。

このオフィスでPower BI CATが米国・ヨーロッパ・日本・インド・オーストラリア等の地域から集まってオフサイトを行うことに。

集合時間は朝8時でしたが、Power BI CATのリーダーであるMarcさんがLinkedInにアップした写真に対する反響は凄まじいものとなりました。当日で100件以上のLikeが付き、6日で300件に増えています。

Power BI CATはPower BIの製品チームの一部であり、顧客とエンジニアチームを繋ぐパイプラインとして機能しており、Power BIをより良い製品に改良していくための重要な役割を果たすロールとなっています。ゆえに、技術や顧客エンゲージメントに長けた人が多く、グローバル顧客を満遍なくカバーできるよう、地域別にメンバーが存在します。

そのCATメンバーが一堂に集まり、1週間に渡って現状を把握したり、Power BIの将来に対する認識を共有し、Intelligence Platformという大きなチームでお互いを知る時間を過ごすことになったわけです。結論から言いますと、

この1週間は入社3ヵ月間よりも学ぶことが多かった

と言っても過言ではありません。世の中はリモートワークが当たり前のようになりましたが、対面して話をした際に得られる情報とそうでない場合とでは、仲間とのリレーションシップを構築するという意味においては、圧倒的に異なると言えます。

本来であれば同じチームでも会ったことがない人に対して、リモートワークでは声を掛けにくい場合がありますが、今回のオフサイトを通して、お互いを知る機会となったことにより、今後のコラボは間違いなくスムーズに進むと予想できます。

オフサイト開始

このように、オフサイトが始まりましたが、多くトピックについて話が行われました。

  • グローバルチームにおける自己紹介(担当地域・得意分野等)
  • Power BIテクニカルコンテンツへのDeep Dive
  • 新しい公式ドキュメントの執筆に関するアイデア出し
  • Power BI CATとSynapseチームの合同イベント
  • Power BIに関するKeynote
  • 顧客エンゲージメント
  • Power BIコミュニティに対する考え方
  • 製品開発グループによるプレゼン
  • リードーシップ層によるプレゼン
  • Power Hour
  • キャンパス見学
  • お料理教室😂

つい先日Microsoft Build 2022が開催されましたが、殆どがVirtualだったことに対して、今回の集まりは完全に対面でのイベントでしたので、多くの人が参加されていました。米国ではマスクをしている人は殆どおらず、日本から来た私は毎日マスクをして、自作したPower BIマスクを無料配布していました。

評判はなかなか良く、記念品として取っておきたいと言ってくれた人もいました。

さて、オフサイトの中身は非常に有益だったのですが、公開できない情報も多いため、ここでは触れる程度で紹介しかできませんが、私が思う今回の集まりで最も重要だったファクターは以下2つになります。

  1. チームビルディング
  2. 今後やってくるよりエキサイティングな世界に対する戦略的な考え方

私は過去13年間、チームプレイをしたことがあまりありませんでした。というのも、アナリストは基本的に定量的なデータと定性的な情報の両方を用いて、数値分析や評価シナリオを組み立て、顧客へレポートアウトする仕事となります。この中でチームプレイが必要とされるのは

  • 紙ベースのデータをデジタルベースへ変換
  • データ処理に際してのサポート(データ集計等)
  • 現場への視察(2人1ペア)
  • 分析結果に対する承認(サインオフ)
  • クオリティチェック

といった部分でした。アサインされた案件は基本的にアナリストがオーナシップを持つことになるのと、アナリストの約95%の時間は全てデータと向き合うものでした。ここでPower BIを使いこなせるようになると、上記項目を除けば、アナリストは基本的にセルフサービスBIを活用して案件を最後まで仕上げることができるようになります。時間配分という意味で言えば、アナリストは基本的に自分でモチベーションをキープしながら、納得できるところまで集中してレポートを仕上げていくものとなります。

しかし、MicrosoftのPower BIに関しては、

  • あまりにもカバー領域が広い
  • Power BIテクノロジーの進化が恐ろしく速い
  • エンタープライズBIの構築はセルフサービスBIより遥かに複雑
  • Power BIだけでなく、Azureに関する知識も必要
  • その他諸々(セキュリティ、ガバナンス等)について理解する必要がある

といったように、より多くの知識とスキルが必要とされます。ここで初めてワンマンプレイができないものだと思い知らされます。チームビルディングがいかに重要か、ということを入社して1ヵ月目で認識するようになりました。今回のオフサイトで知っている人、知らなかった人と話せたことは、恐らく入社してから最も大きな収穫になったと思います。

一方、Power BIに関する今後ですが、かなりエキサイティングな世界になると思います。Power BIは間違いなく世界で最も使用されているBIツールであり、Officeを始めとする他のサービスとの連携によるエコシステムが他社を寄せ付けない強みになります。この部分について、良い製品を作り続けることは当然ながら、将来的な展望もリーダーシップ層から話が聞けたので、あとはそれを実現するため如何に顧客エンゲージメントを高めていけるかが重要となってきます。

Power BIコミュニティ

顧客エンゲージメントの1つとして、コミュニティが存在します。通常、コミュニティと言えば、外部のユーザーコミュニティを想像しがちですが、実際には社内のコミュニティも存在しますし、Power Platformを積極的に活用している会社では社内コミュニティのほうが盛り上がっている状況です。

Power BIに関して言えば、Power BIのコミュニティがありますが、2022年6月末時点では約2,300人も登録者がいます。

コミュニティは何も勉強会という形で話をする必要はなく、

  • SNS(LinkedIn, Twitter, Facebook, etc)
  • ベンダーイベント(Build, Ignite, etc)
  • コミュニティイベント(SQL Bits, PASS, etc)

など、Power BIテクノロジーを共有する場であれば何でも良いわけです。このうち、Twitter等のSNSは非常に盛り上がっており、毎日何かしら新しいことが学べますし、ベンダーイベントはMicrosoftが催すイベントとなるため、注目度も非常に高い。日本では勉強会といった形式で盛り上げていますが、海外ではSQL BitsやPASSといった、国を跨ぐイベントが盛り上がっています。

残念ながら日本ではこの種のイベントはないので非常に寂しい限りですが、英語圏ではパンデミック前までは当たり前であり、これがPower BIの導入を加速させるための起爆剤の1つになっていると言えます。

ちなみに、イベント内ではPower Hourというセッションがありますが、入場制限がかかるほど人気があります。

Power BIに関連する面白いデモ

を行うのが趣旨ですが、例えば以下のようなものがあります。

Power BIでRPGマップを作り、キャラクターが動く

お店に入り、Dataflowsを購入

マニアック過ぎるオチですが、分かる人には爆笑するネタだと思います。ちなみに、写真に写っているシュール顔のMatthewさん(Power BI CAT)ですが、日本大好きということで、後ろの刀を使って居合をするのが趣味だそうです。名言「Data should be transformed as far upstream as possible, and as far downstream as necessary」は、”ソースシステムのほうでデータ処理を可能な限り行うこと”は、ベストプラクティスについて述べられているので、多くの人がこれに共感しています。

何はともあれ、Power BIテクノロジーでギャグを飛ばす最高な時間になりました(個人的には次回、参戦しようかと模索中)。

おまけ

あれこれやっていると、あっという間に一週間が過ぎました。久々の海外ということもあり、気分転換になったのと同時に、今のところ感染報告を聞かないので、参加者全員が無事だったと信じています。最終日は時間があったので、Microsoftストアへ行ってみたり、お料理教室へ参加したりしました。

Microsoftストアはパンデミックにより、お店が殆どなくなってしまったのですが、まだ残っている店舗に何とか行けて良かったです。

最終日にお料理教室への参加は良き締め括りとなりました。上司でPower BIの世界で知らない人はいないChris Webbさんがなぜか、いつもカメラ目線なのが気になります🤣

出来上がりも非常に美味しかったが、ニョッキだけは微妙だったかもw

画像

最後に

海外への渡航について、まだ日本は厳しい状況ですが、UBERタクシードライバーにはこう言われました。

タクシーのおっちゃん:
COVID?No worries, we are going to live together. COVID is famliy, friend already. 

ということで、米国ではCOVIDはもう過ぎ去ったもの、として捉えられているようです。今後、日本や他の国でも期待したいところです。

*1:Power BIを導入している顧客向けに、テクニカル・サポート、ベストプラクティスやPower BIに関するロードマップ等の提供を行うアドバイザリー業務

*2:ビジネスユーザー・アナリストが自分たちで自由にデータを取得・変換し、データ分析を行うことを可能にするBI

*3:IT部門を中心としたガバナンス、コンプライアンス、セキュリティ等を重視したより大規模なBI環境