テクテク日記

テクテク=テクノロジー&一歩ずつ(テクテク)

CPUのパフォーマンス測定

Power BI Desktopを使う上で、重要となるのが構築用に使用するパソコンのスペックを知ることです。下記記事の「② BI導入の準備」にて紹介していますが、CPUパフォーマンスの測定を最近購入した第12世代のIntel CPUが搭載されているLet's Noteで試してみました。

Power BIとDAX Studioによる測定方法

上記記事にてやり方が簡単に記載されていますが、念のためこちらでもう一度記載しておきます。

  • DAX Studioをインストールする

    DAX Studio - The ultimate client tool for working with DAX queries

  • ノートPCであれば、電源を繋げた状態にする
  • 可能な限り、他のアプリケーションを終了させ、空のPower BI Desktopだけを立ち上げる
  • 「ホーム」より、ダミーテーブルを追加する(下図)

  • 外部ツール > DAX Studioを立ち上げる

  • 下記DAXクエリをコピー
DEFINE
var _a = SELECTCOLUMNS(CALENDAR(1, 10000), "a", [Date]) 
var _b = SELECTCOLUMNS(CALENDAR(1, 10000), "b", [Date])
var _joined = CROSSJOIN( _a, _b ) var _result = COUNTROWS( _joined ) EVALUATE  ROW("Result", _result )
  • 開いたDAX Studioにペーストし、Server Timingsを有効にし、Runをクリック

  • クエリ処理が始まり、しばらく待つ

  • 結果が表示される

これでCPUパフォーマンスの測定が完了しました。この数字(上記の例では6,666 ms)の読み解き方ですが、簡単に言ってしまえば、

クエリを走らせてCPU処理の時間が6.666秒掛かった

ことを意味します。このCPU処理時間は少ないほうが、今使用されているPCのスペックが高いことを意味し、10秒以内であればかなり良いと考えてください。なお、何度も実行すると結果が大きくブレてしまう可能性はありますが、殆どが10秒以内であればPCのスペックは高いと考えてよいと思います。

測定結果

私の場合、昨日家に届いたPanasonic Let's Noteの測定結果は以下の通りとなりました。

2018年に同機種である14.1インチの結果と比較してみたところ、クエリの実行が

8.5秒から4.2秒へ

物凄くパフォーマンスが向上していました。Intelの第12世代CPUのパフォーマンスが半端ないという噂だったので半信半疑でしたが、ノートPCでこの結果は驚愕です。なお、正確なベンチマーク測定は別途専用ソフトを入れて行ってください。

ちなみに、パソコンのスペックを調べる場合、

Win + Fn + Pauseキー

で簡単にチェックできます。

また、以下2つの方法でも確認が可能です。

① タスクマネージャーの起動でも確認可能

Ctrl + Shift + Esc

② ファイル名を指定して実行

Win + R > dxdiag

と入力し、OK。

なぜCPUか

Power BI Desktopをストレスなく使用するためには、使用するPCのスペックが充分である必要があります。いわゆる「ハードウェアセレクション」という考え方になりますが、CPUやメモリ(RAM)の考え方が細かく記載された下記SQLBIの記事をご参考ください。

Choosing the Right Hardware for Analysis Services Tabular - SQLBI

Power BIはインメモリデータベースというテクノロジーを使っているため、RAMや計算処理を行うCPUが重要となるのは予想がつくと思います。上記記事をまとめるとハードウェアを選ぶ際、以下の順番で重要性が高いものとなります。

  1. CPUクロック数とモデル(Core i7以上、3GHz以上がベスト)

  2. メモリ速度(RAMが1,600MHz以上がベター)

  3. PCのコア数(同時処理を行うため、重要なファクターの1つ)

  4. RAM(メモリ)サイズ(処理できるデータ量が関係するため、非常に重要)

今回測定した結果、2のメモリ速度が倍に増えていたのはびっくりでした。記事内の数値はかなり昔のスペックをベースとしていますので、メモリ速度については今のパソコンであれば殆どが最低条件をクリアしていると思います。

CPUが重要な理由はPower BIの計算エンジンが最終的にシングルスレッドとなるFE(Formula Engine)を使うためで、その場合にCPUクロック数とCPUのモデル(最新モデル程、良い)が一番重要となるためです。そういう意味で、Power BI Desktopの進化はアプリケーションの機能増強だけでなく、クエリパフォーマンス等の向上はハードウェアの進化から恩恵を受けていることも認識すべきです。

個人的な考えですが、Power BIを本気で学ぶのであれば、ハードウェアに投資するのも非常に重要だと思います。特に自分が作る側でセルフサービスBIであればなおさらで、Intelの第12世代CPUは試す価値ありだと思います。

最後に今回購入したPanasonicのLet's NoteのCF-FV3シリーズのカスタマイズモデルですが、このスペックで総額36万円でした。Let's Noteはめちゃくちゃ高いですが、使い勝手とデザイン、壊れにくさ、そして日本製ということもあり、予算があればダントツでオススメです。Power BIを今後ヘビーに使っていきたい方はぜひ、検討してみては如何でしょう。

ec-plus.panasonic.jp