前回は日付スライサーで不要な期間を除外する便利なやり方を紹介しましたが、今回は、具体的な事例をもとに、陥りやすい落とし穴を含めて見ていきたいと思います。結論から言うと、タイムインテリジェンス関数で使用される日付テーブルの日付型列が主キー(Primary Key: 1対多のリレーションシップに際して1の側)列として認識されているかどうかで、結果が大きく変わります。実際の問題はこれよりも少し複雑で、以下にその詳細を解説していきます。
続きを読むPower BIの日付テーブル①: 基礎コンセプト
Microsoft FabricがGA(一般提供)されてから半年が経ち、統一されたデータ基盤という”切り口”で導入を決めた企業も増えています。しかし、Power BIを本格的に活用したことがない企業も少なくありません。本ブログではこれまでにも日付テーブルについて触れてきましたが、日付テーブルに特化して書いたことはありませんでした。そこで今回は、日付テーブルの重要性について詳しく解説していきたいと思います。
Copilot for Power BI の GA(一般提供)
Copilot for Power BIがGA (General Availability)となったことを受け、下記いくつかのポイントをまとめておきたいと思います。まずブログで正式発表となりましたが、FabricにおいてCopilot対応の全てのワークロードがGAとなっているのではなく、Copilot for Power BIだけのGAとなっています。
続きを読むインポート/DirectQueryからDirect Lakeへのマイグレーション
Direct LakeはFabricアイテムであるLakehouseやWarehouseを活用しますが、データがDelta Parquet形式*1となります。Power BIサービスに発行されたセマンティックモデルはインポートモードであることが多いですが、今回はこのインポートモードやDirectQueryモードのセマンティックモデルをDirect Lakeへ移行(マイグレーション)するやり方を紹介します。
なお、今回の方法は前回のOneLake Integrationとは異なり、ショートカットを作るのではなく、Dataflow Gen2を使用してDelta Parquetファイルを作成していく方法です。この方法により、リレーションシップやDAXメジャー、セマンティックモデルに関する各種の定義済みプロパティのほぼすべてを復元することが可能です。
*1:Delta Parquetファイルは、Apache Parquetフォーマットを基盤としたDelta Lakeのファイル形式です。Delta Lakeは、データのバージョニング、トランザクション管理、ACIDトランザクションのサポートなどの機能を提供するデータレイクテクノロジーです。Delta Parquetファイルは、これらの機能を利用して、高速で拡張性のあるデータレイクを構築することができます。Parquetフォーマットは、列指向のデータストレージ形式であり、高い圧縮率と効率的なデータ処理を実現します。Delta Parquetファイルは、このParquetフォーマットにデータレイクの追加機能を提供し、大規模なデータセットの管理や分析を容易にします。
セマンティックモデルのOneLake統合
既に公式ドキュメントに記載されている方法はありますが、その説明がやや分かりにくいため、よりわかりやすく説明してみました。ただし、注意点や留意点については公式ドキュメントで十分に記載されているため、ここでは主にコンセプトと実現方法に焦点を当てて説明していきます。今回の記事の対象者ですが、Fabric LakehouseでPower BI Direct Lakeを使いたい人向けとなります。
続きを読む即効性重視: Power BIのベストプラクティス
Power BIを使用する際の”ベストプラクティスを教えて欲しい”というリクエストは非常に多く聞かれます。ベストプラクティスはその人の経験、知識量によって対象となるコンテンツが異なってきますが、今回のPower BIを利用し始めたばかりの人でも即効性の高いものをご紹介したいと思います。
下記Power BIレポートはその全てを詰め込んだものですが、必要に応じてブックマークしておくと良いでしょう。
https://aka.ms/pbibest(別ウィンドウが立ち上がる)
※表示されない場合は、ブラウザを一度更新してみてください
ここで注目すべき重要な点は以下のとおりです。
- Power BIに関するすべてのベストプラクティスを網羅したものではない
- Power BIは非常に広範であり、今回紹介した内容は、主にモデリングおよびレポートの作成に焦点を当てたもので、主にユーザーやBIアナリスト向けの情報
- より包括的に知識を得るためには、Power BIのガイダンスを追加参照することを推奨
実は、上記のレポートだけをご覧いただくだけで、今回の記事は終了となりますが、いくつか追加で説明するとより良い理解が得られるポイントがありますので、それらについても今回の記事でお伝えしたいと考えています。
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